S先生の一言

私が整理収納アドバイザーという資格取得を目指したのは、以前上司だったS先生に言われた言葉がきっかけでした。
短大事務職員として勤務していますが、6年ほど前に配属部署が変わりました。
新しい部署は資料や本などの量が大変多く、床にまで置いてある状態でした。
しばらくは何が重要で何がなくても大丈夫なものなのか、判断がつきませんでしたが、仕事を覚えていくうちに(沢山のモノに囲まれているけれども不必要なものも結構あるなぁ)と思いました。
モノの量が多いため作業しにくく必要なモノを取り出すことにも効率の悪さを感じていました。
けれども私が不必要と思っていても上司のS先生には必要なモノかもしれません。
そこで、S先生に「この資料は必要ですか?」「この冊子は200冊有りますが全部置いておかなくても大丈夫ですか?」と尋ねながら整理していきました。
S先生も邪魔くさがらずに私の質問に答えて「必要だけど10冊もあれば良いよ」とか「もう、こんな古いものは要らないよ」と決めて下さいました。
そうやって整理したモノを使用頻度が高いモノは取り出しやすいところへ、低いモノは離れた収納庫へと収めていくと、床置きのモノは全てなくなりスッキリしました。
その作業中にS先生が「たつぼさん、その片付け技術、仕事にしたら?」と言われたのです。
「先生、ただの片付けですよ。使うモノを使う所に、使いやすく、戻しやすくしただけじゃないですかー」と言うと「いや、仕事になるよ!」と言われました。
普通に片付けただけでそんなことを言われてビックリしました。
でも、その言葉に力を頂いて友人の家を片付けたり片付けのコツをお伝えしたりするようになりました。
そして数年後、整理収納アドバイザーという資格や仕事があることを知り、取得した次第です。また少しずつでは有りますが仕事とさせて頂いています。
思えばS先生の何気ない一言が整理収納の世界に進む「きっかけ」を与えて下さったと思います。
整理収納アドバイザーとなった時にS先生にそのことを伝えてお礼申し上げたかったのですが、S先生が上司ではなくなり、なかなかお会いできずにいました。
ところが今日、バッタリとS先生 にお目にかかり、そのことをお話しお礼もお伝えできました。
S先生はあまり覚えていらっしゃらないご様子でしたが、私は直接、感謝を伝えられたので本当に嬉しかったです。
何がきっかけとなって、新しい道に進むか分からないものですね。